名前の由来

へんば餅の由来

むかし、伊勢神宮へ向かうには必ず「宮川の渡し」で船に乗り換え、川を渡らなければなりませんでした。また、その渡し場より先は伊勢の「神域」となるため、一切の動物は立ち入りが禁止されており、旅路で乗ってきた馬も皆ここで降りて返さねばなりませんでした。

どうして「へんば餅」?

へんば餅は、この馬を返す場所=返馬所(へんばじょ)の近くで食べられたことが由来となり、返馬(へんば)餅と言われるようになったと伝えられています。当時の歴史がそのまま商品名となったちょっと珍しい餅菓子です。

歴史の遺産 「三宝荒神」

三宝荒神(さんぽうこうじん)とは、箱三つを馬の背の中央と左右とにつけて三人乗りができるようにした、馬につける蔵のことです。昔、長旅をする時や、荷物が多い時などにとても重宝されました。江戸時代の木版画には、両脇の箱に女性や子供が乗った図も多く残されています。へんばや商店の本店には、創業当時のものとされる三宝荒神を店内奥に展示しています。

本店で当時の旅人気分に

実際に使用されたと言われる三宝荒神は、当時の旅の様子が伝わってくるような臨場感があります。本店にお越しの際には、ぜひ、三宝荒神の横に腰掛けて温かいお茶を飲みながら当時の旅人気分で「へんば餅」をお楽しみください。二百年前より変わらぬ味と、趣きある店内はちょっとした時間旅行をお楽しみいただけます。