その昔の「情緒」を残す佇まい

本店紹介

なわて広がる田舎の街道で

伊勢市の玄関口ともいえる、小俣町明野。旧参宮街道沿い田園風景の広がるのどかなこの田舎町に、創業二百余年を越える老舗の餅屋、へんばや商店の本店があります。かつて伊勢神宮をめざして多くの人が旅をしたこの宮川のほとりの町は、おかげ参りへ向かう旅路の最終宿場町として栄えた場所でもありました。時を同じくうまれた、一軒の「茶屋」へんばやは、長旅に疲れた参拝客を一杯のお茶と餅菓子でもてなしました。

変わらず同じに時を刻む

素朴でシンプルなその餅菓子は、伊勢へ渡る手前宮川の渡し場、乗ってきた馬を返す場所で振る舞われたことから、いつしか「へんば(返馬)餅」と名付けられ、庶民に愛される味となりました。今も昔もかわらぬ味を守り続けるその餅は、今も地元の人々に愛されながら、歴史の余韻を残すしずかな田舎町で、ゆっくりのれんを揺らしています。明治初期の面影をそのまま残す本店は、まるで時を止めたかのような静かな落ち着いた佇まいです。伊勢にお越しの際には、是非へんばや本店に足を伸ばしていただき、昔懐かしい田舎の風情をお楽しみください。